★非常時電源の考察

台風15号の際の長期停電対策ではうまくいったPHV充電用の鉛蓄電池システムの非常時電源利用ですが、有効に機能したのは色々な条件がそろっていたからだと思います。備忘録の意味で、こうした条件を書き留めておきたいと思います。

  • 家屋やバッテリ小屋、設備やシステムに損傷がなく使用ができたこと
  • 非常電源として利用するためのインバータ、ドラムリール、ケーブル類がすぐ使える状態で一箇所に保管してあったこと
  • それらの故障や不具合が発生しなかったこと
  • 長期停電の非常事態の想定を事前にしていたこと
  • メインの蓄電池設備や補充電源である太陽電池モジュールは常用して使い慣れており、問題がない状態にあったこと
  • 鉛蓄電池の劣化を検知し、1ヶ月前に交換対応したばかりだったこと

非常時のための機器は、非常時にしか使わないということであれば、物置の奥にしまい込み埃をかぶった待機状態になることがしばしばだと思います。しかし、これではいざという時に、「使い慣れていないため使えなかった」、「故障していた」、「必要な部材が欠けて使えなかった」などの問題が発生しかねません。かといって、年に1度くらい防災訓練として、使用点検をするというのもなかなかできないものです。

 

非常食の消費期限を管理するために、在庫の非常食を平時に食べて、買い足し補充するというやり方が推奨されていますが、非常時電源も同じような考えのもと、平時にもできるだけ常用すべきだと考えます。こうすることで上述のような問題を回避できます。

 

次に大切なことは、非常時電源をどのように使いたいかの事前想定(あるいはポリシー)です。

私の場合は以下のように考えていました。

  • 非常時なのだから、平時のような全部屋で自由に電気が使えないのは当たり前
  • 生活に必要な設備はダイニングルーム、リビングルームに集中しているため、そこを宅内避難所と定める
  • 最低限使いたいのは、夜間用の照明(10W程度のLEDライトで十分)、情報収集用の液晶テレビ、PCやスマートフォン、インターネット接続ルーター、断水時の井戸ポンプ
  • 次に余裕があれば使いたいのが、冷蔵庫、扇風機または石油ファンヒーター、洗濯機
  • その次に、温水器、炊飯器、電子レンジ、エアコン
  • 長期停電対策のためには蓄電池を太陽電池で補充充電(独立または自立運転)できるようにしておく
  • 住宅内の部屋や機器の配線を分電盤の分岐ブレーカーで再確認・明記し、容易に判別できるようにしておく

上記を運用するためのツールやスキルは次のとおりです。

  • 使用する電気製品の消費電力をラベルなどで把握しておき、非常時電源の供給能力との見合いで同時使用機器を調整する
  • ワットメータなどを用意しておき、累積消費電力量を計測し蓄電地残量管理をする
  • 蓄電池にも電圧計をセットし、蓄電残量を管理する
  • 非常時に宅内配線、分電盤を利用する場合は、その危険と手順に関する知識を持ち、確実に履行できること

こういった事前想定のもと、システムの規模を設計し、機材をそろえることとなります。

エコロジアハウス永地(千葉・袖ケ浦市)で構築していた平常システムと非常時の転用形態は下の画像のとおりです。 

 

平常時のPHV給電システム

非常時の宅内引き込みシステム


上記の鉛蓄電池は、再生品であり新品の80%の容量とみなし、1回の放電深度を最大50%目安に運用すると、1日最大5~6kWh程度の電力供給が可能です。停電が長期化した場合のために蓄電池を補充電する必要があり、太陽光発電を併用します。

 

太陽光発電は、蓄電池を充電する専用の太陽電池が必須ですが、もし平常時に系統連系(売電)している住宅用太陽光発電システムがあれば、その自立運転を含めた2系統が利用可能です。

しかしながら、天災の場合は天候不順で太陽光発電も思うようにならないことがあり得ます。

最終的なバックアップ電源として、プリウスPHVの車載リチウムイオン電池からヴィークルパワーコネクターという外部給電装置を使った電力供給ルートも確保しました。満充電時での有効利用容量は約6kWhですが、使い切った場合はさらにガソリンを使って発電でき、また天候回復すればルーフトップの太陽電池から1日最大500Wh程度の補充も可能です。

弊社の場合は、再生鉛蓄電池の実証実験を兼ねて、上記すべてのシステムを構築していましたが、今回の3日間の停電ではプリウスPHVの電源の出番はありませんでした。

 

ここまでの非常電源のバックアップは冗長すぎてお金がかかるという場合、再生鉛蓄電池と専用太陽電池の組み合わせのシステムで約40万円ほど(非常時の使用容量を絞ればそれ以下)のコストでスタートアップすることが一番安上がりです。ですが、上述したように平時も使うシステムでなければ有効性、信頼性が落ちますので、考慮しておきたいものです。今後の災害リスクをおそれ、コストをかけられるというならば、車をEVかPHVにし、V2Hシステムを導入するのが最も容易です。

災害が多発する状況が続けば、住宅新築時のZEH仕様に組み込まれる時代が来ると思われます。

 

以上

 


★台風15号 PV被災調査・救援活動

 2019年9月17日(火)にPV-Net台風15号PV被災調査・救援活動チームの一員として、千葉県南房総市へ行ってきました。その時の様子をジャーナル風にお伝えします。

 PV-Netとは特定NPO法人 太陽光発電所ネットワークのことで、住宅の屋根で太陽光発電をしている人たちを中心とした全国規模の会員組織で、2012年から会員になり、弊社が太陽光発電事業を始めるにあたっても大変お世話になりました。

 

 弊社オフィスがある袖ケ浦市永地は、9月11日に復電。第二発電所がある木更津市有吉は翌12日に復電しましたが、たしか9月14日ごろだと思いますが、東京電力が今回の大規模停電の復旧が、遅いところでは9月27日ごろになる見通しと発表しました。

そんなにも長期に停電するのではおおごとだということで、東日本大震災や熊本地震でも現地調査・支援の実績があるPV-Netとしてもなんらかの救援ができるはずだとの思いが、今回の活動につながりました。

 

 チームは、本部から代表理事、静岡地域から2名、千葉地域から私を含めて2名の合計5名で、車2台の構成でした。

 支援用機材は、静岡地域メンバーが製作した小型独立電源「電源坊やⅡ」と千葉地域メンバー保有の再生鉛バッテリー4個(合計2.8kWh)。
 電源坊やⅡの構成は、250Wの太陽電池、480Whの再生鉛電池、300Wのインバータ等。
 4個の再生バッテリーと合体して、合計3.4kWhの大容量バージョン「電源兄貴」を持ち込むことになりました。

 

 当日は静岡メンバーは朝5時半出発したものの、途中東名高速道路の御殿場あたりで大渋滞に巻き込まれる不測の事態があり、チームが南房総市の東部、千倉にある社会福祉協議会・災害ボランティアセンターに着いたのは、正午を回っていました。

 しかしながら、「ここでは電源支援が必要な場所は分からないので、冨浦の市役所に設置された災害対策本部へ行って欲しい」と言われ、さっき来た道をまた30分ほど戻らなければならなくなりました。そのため、このエリアにPV-Net会員で電話が不通のため安否確認ができないMさんを先に尋ねることにしました。

 

 幹線道路から山の麓に400mほど入り込んだMさん宅を探し当てましたが、あいにくお留守でしたが、息子さんがおられお話を聞くことができました。幹線道路のあたりと、途中の外灯は電気が復旧したが、自分のところは1軒だけ取り残されていてまだ停電したままだということ、太陽光発電の自立運転とエンジン式発電機で冷蔵庫なども使えていて、まだ大丈夫ということでした。特別、機材などの支援も必要ないとのことでお見舞いを申し上げて、災害対策本部へ向かうことにしました。

 

 移動中に、通り沿いに大きく破損した低圧野立発電所を見つけました。
太陽電池モジュール、レール、支柱が曲がり、局部的に大破していましたが、破損を免れたとみられるアレイのPCSは運転していました。改正FIT法で義務付けられた看板があり、保守点検事業者の連絡先が分かったので、後程確認の連絡をすることにし、市役所へ急ぎました。

どれだけ凄い暴風が吹いたのか

南房総市の災害対策本部


 災害対策本部は、南房総市市役所本館の隣、別館1に設置されていました。訪問の趣旨を伝えると、本部内の詰所に通され、本部内は多数の情報を手書きした紙が壁に貼られ、まさに戦場の指令室のようでした。そこで市民生活部の部長、担当の方と我々の支援に合致する場所を協議できました。
 その結果、南房総市の北部、大井という地区の区長さんに連絡をとり、そこで具体的な支援ニーズを聞いたうえで活動することになりました。

 大井地区は、災害対策本部に張り出された停電・復電状況を示した地図で、現在停電中であることと、当日朝、東京電力が発表した資料によると、停電が9月27日ごろまで長引く可能性がある地区に入っていました。

多忙ななかを対応していただいた市民生活部に大変感謝しています。

 

 教えていただいた目的地、大井青年館をカーナビに入力し、示されたルートを10分ほど走ると、この先通行止めという看板に遭遇。やむなく引き返し迂回ルートをたどって40分ほどでようやく大井青年館に15:20頃到着しました。

南房総市の停電マップ

災害対策本部

通行止めの看板


 青年館という名前ですが、平屋建ての公民館といったイメージです。玄関口には既に発電機が数台置かれ、エンジン音を立てて1台が稼働中でした。
 移動中に連絡していた区長の芳賀さんとはすぐに会え、自然エネルギー利用での対策を学びたかったとおっしゃり、我々の来訪を大変歓迎してくださいました。

聞けば、芳賀さんは東日本大震災を教訓に、地域が自治体の公的支援に依存せず、自立した防災対策を実施すべきと考えて、地域ぐるみの対策を考えてきたとのことです。
 それを裏付けるように、ある住民の方は「他の地区の様子を見回ってきたが、ここほどちゃんと対策できておらず混乱していた。ここは台風が過ぎてすぐに災害対策本部を置いて活動を始めたから大したもんだ」と胸を張っていました。

 電源坊やをどこに置けばいいか、芳賀さんに指示してもらい、部材を車のキャリアから降ろして、皆で組み立てを急ぎました。太陽電池パネルはキャリアに太陽が当たるように積んであったので、車内に積んであったバッテリを満充電できていました。
組み立て終わって設置完了した証拠写真が以下のものです。

電源坊やの設置完了

    高校生へ即席の自然エネルギー教室


 芳賀さんから、「ここに高校生たちがいるから、ぜひ彼らに直接、色々教えてやってほしい」と依頼されました。また、この災害が落ち着いたら、小水力や太陽電池、その他の自然エネルギーを組み合わせたさらなる災害対策を実行していきたいとも話されました。芳賀さんの知識の深さと実行力、強いリーダーシップに大変感銘を受けました。


 そんな芳賀さんの元には、数日前から千葉工業大学で地域づくりを専門にしている非常勤講師の青木さんも駆けつけていました。こういう方々と災害現場で知り合うことができたことも今回の活動の成果でした。

 

 さて、説明会をした高校生の中に木更津高専の学生もいて、積極的な質問を受けながら、電源坊や(正確には上述のとおりパワーアップした電源兄貴)から青年館の室内に電線を引き込み、うるさい音を立てて電源供給していた発電機と選手交代し、LED照明、たくさんの携帯電話の充電、扇風機の電源として活躍を始めたところであたりは次第に暗くなってきました。

 

 すると、犬の散歩に出て戻ってこられた女性が、「ここに来る途中の外灯の電気がついているようなんだけど」という情報がもたらされ、青年館のブレーカーを入れると一斉に点灯。一日の片づけ作業などを終えて、青年館に集まり始めていた住民の方々から安堵の声があがりました。なにしろ9日間もの停電生活だったわけです。

 

 こうなると、設置した電源坊やも用済みとなります。ほんの数時間の稼働でしたが、芳賀さんとお話をして、撤収作業に入りました。もと来たときのように車に積み、途中、木更津で食事を済ませ、袖ケ浦のエコロジアハウスに戻ってきたときは夜10時位でした。

明日また仕事のメンバーはそのまま帰宅し、残り4名で反省会をしました。


ざっと、以下のような話になりました。

 

  • 過去、PV-Net有志が現地入りした過去の災害、日本大震災、熊本地震とは被害の様相、状況把握、援ニーズ等に質的な違いがあったのではないか。
  • 一旦、電源坊や組み立て、設置、稼働開始できたことは良かったものの、想定より相当早い停電解消 により実稼働数時間で撤去となったのは、救援活動の出遅れと言わざるをえない。
  • 発災より現地支援開始に至る初動をスピードアップするためには、各地域組織が支援機材を有効保管し 緊急出動できる体制をあら かじめ整備しておく必要があるのではないか。
  • 上記方策は、地域交流会に強制はできず実現には高いハードルがあるため、別の方策も考えるべきではないか。
  • PVSの自立運転使用率は高いため、その電力を自分だけでなく地域住民に提供する(スマホ充電だけでも)共助の仕組みを励行 し、各地域、自治体に確立、周知を支援することで、機材持込み、管理負担を減らせ、スピードアップできるのではないか。

 

◎今回の成果

  • 大破した野立て発電所の調査をし、保守点検業者に慎重な再点検、注意喚起をすることができたこと。
  • 東日本大震災以後、主体的、自立的に地区の減災に取り組み、再エネの活用に造詣の深い芳賀区長と出会い、今後のコラボレーションの期待を持てたこと
  • 芳賀区長の元に早期に支援に入っていた千葉工大の青木非常勤講師(地域づくりが専門)との出会い
  • 停電解消により持ち込み機材の短時間しか運用できず撤収に至り、一時は徒労感を覚えたものの、それが今後の活動の在り方を深く洞察する契機となったこと

 

◎次なるアクション

  • 現時点でも停電解消していない地区はあるものの、こうした地区の探索と、機材再設置の試みは中止する。理由は、今に至っての停電解消のペースがあがり、今回の轍を再び踏む可能性が高いと判断されるため
  • 東京地域交流会経由の増援用ベランダ発電セットの提供先検討も上記と同じ理由で取りやめる
  • 反省会で考察したことをどう組み合わせ実施できるか企画すること
  • 芳賀区長、青木氏との今後のコラボレーション検討

 

というわけで、我々にとってはドラマのような長い1日になりました。

今回の活動の主な立ち寄り先



☆台風15号による弊社発電所への影響

 弊社太陽光発電所は千葉県袖ケ浦市ならびに木更津市にあり、台風15号による長期停電のため下記のとおり運転停止が発生しました。


 

■あいがも発電所(エコロジア第一発電所 袖ケ浦市)

 

 停止期間 2019年9月9日~11日 3日間

  

 

■しらさぎ発電所(エコロジア第二発電所 木更津市)

 

 停止期間 2019年9月9日~12日 4日間


 

・原因

 東京電力送配電網の長期停電に因る


 

・現況

  停電復旧により、2発電所ともに通常運転となりましたが、運転再開後の発電所の電気的な健全性チェックはこれからですが、

 外観目視点検では大きな問題はありませんでした。

 

以上

 


★【緊急レポート】台風15号と弊社の対応

弊社代表が加入しているPV-Net(特定NPO法人 太陽光発電所ネットワーク)内で共有した9月12日の緊急レポートを加筆修正して転載します。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 

 

PV-Net関係各位

 

千葉地域交流会世話人の林です。
(中略)

現在、千葉県袖ケ浦市におります私の交流範囲では台風15号の暴風被害とその後の大停電でかなり深刻な影響を受けています。今晩になってやっと涼しくなり、一息つけたかんじです。

 

本来は、現地からのシリアスな苦境を訴えるレポートを期待されるものかもしれませんが、かなりうまく停電対応できたかもという私の実体験を、備忘録としてさきほど書き留めましたので、勝手ながら皆様に共有させていただきます。
千葉地域交流会世話人の間でお互いの安否確認情報交換している一環のものです。
長文でまとまりがないのですが、暇なおり、気が向いたらお読みください。また後日、図解入りでレポートをまとめなおすかもしれません。とりあえず以下のとおりです。

 

◇◇◇◇◇ (9月12日22:30記す)

 

袖ケ浦の当地の停電復旧は昨日9月11日夜9時半でした。
シャットダウンが9月9日(月)3:55(電力遠隔監視装置による記録)でしたので、65時間半ほどのブラックアウトでした。木更津の弊社発電所はまだ停電継続中です。
水圧は弱まったものの断水はありませんでした。
ガスはプロパンで乾電池着火式なのでガスレンジは通常使用できました。
停電2日目から携帯電話Docomoの電波は非常に不安定、停電解消時から徐々に回復といった状況でした。


当方、台風通過時は東京に薬を取りに戻っていて、袖ケ浦にはおりませんでしたが、月曜正午にアクアラインが再開されたため袖ケ浦に戻ろうとしたものの湾岸線からのルートが閉鎖。仕方なく川崎大師方面から浮島入口を目指すも3時間以上の大渋滞!

夕刻にようやく木更津、袖ケ浦の自社発電所にたどり着き、目視点検ができました。
フェンスがぐにゃりと曲げられたり、スチール収納庫がひしゃげて扉が吹き飛び、なかみが散乱したり、トタン板の引きちぎれたようなもの等、他所からの飛散物があちこちにあり片づけに時間がかかりました。
当然、東電停電のため発電所PCSも停止。
電気的な被害があったのかは分からないものの、外観目視では問題はなさそうだったので、袖ケ浦の家に戻りました。

 

途中の信号は全部無灯。交通整理の警察官なんていません。
交差点でみんな一旦停止。譲り合って事故のないよう走行していました。
信号機は、どれも本来の方向とは違った方に向いて、信号灯の上のカバーフードも引きちぎれているのにはショックを受けました。
信号や、電柱も柱という柱は、斜めに傾き、家々の屋根やビニールハウスは破壊しつくされ、木更津・袖ケ浦界隈は壮絶な光景でした。弊社発電所の気象観測器では、台風中心通過後の4時4分南南西の風、瞬間最大風速46m/s、平均風速でも35m/sを記録していましたので、このレベルの暴風にやられたものと思います。
(ちなみに発電所の設計上の風圧荷重計算上、法令での当地基準風速は38m/sです)

 

家の方は、太陽電池の載っている母屋は瓦も飛ぶことなく無事でしたが、納屋の方が一部屋根が欠け、トタン板のサイディングが東側を中心に吹き飛び、納屋の中の道具類が浸水していました。暗くなってきたので、調査、片づけはあとまわしにして、非常用電源のセットアップにかかりました。

 

あいがも発電所設備収納庫の扉飛散

 

エコロジアハウス永地の倉庫

屋根・壁面損壊

近隣の切れて落ちた電線


袖ケ浦のエコロジアハウスは、以前、千葉地域交流会世話人会でご紹介したEV/PHV用の太陽光・再生鉛蓄電池充電システム(12kWh 別棟の小屋に設置)があり、別途備えていた2500Wのインバータを接続し、ドラムコードリールで電気を玄関経由で、ダイニングに引き込み、ここを宅内避難所に定めました。

 

結局この電力で65時間ほどほぼ通常の生活を営めました。
ダイニングのエアコンはつけっぱなし、テレビ、冷蔵庫、10WのLED投光器照明をドラムリールにつないだ延長コードでそれぞれ配線しなおして使えました。
ダイニングと接続しているリビングルームのソファで涼みながら寝ることができました。

非常用電源になった

再生鉛蓄電池給電システム

 

もう1つの非常用電源

住宅用太陽光発電の自立運転

コンセント

 

非常用電源使用の停電初日の晩のダイニング

(LED10W投光器で天井照明)


 

2日目からは分電盤の主幹ブレーカを落とし、昼間は住宅太陽光発電PCS自立運転コンセントからの電力で、エアコン、冷蔵庫用のベースロード電力をとり、鉛蓄電池は独立の太陽電池からの充電にいそしみ、夜にそなえるという切り替えを行いました。

自立運転のコンセントや蓄電池電源につながっているドラムリールのコンセントとダイニングルームの壁面コンセントを、両端がオス=オスの自作ケーブルで接続してやり、宅内配線そのものを利用できるようにしました。
(コンセントの穴がある方をメス、差し込む方の金属 端子板2枚が突き出ているプラグの方をオスと表現)

 

これでエアコンも冷蔵庫も元々接続していたコンセントに差し込んだままで使えます。プラグがない外置きの井戸水ポンプまで使用可能となりました。
このケーブルプラグを、系統が違う壁面コンセントにつなぎかえることで、別室のプロパン湯沸かし器、洗濯機などまで使えるようになりました。

 

この自作ケーブルでの宅内配線利用というのは絶大な効果がありました。
ドラムリールにつないで延長コードで各家電製品のプラグを接続するのにも、長さや数に限界があったからです。

ご承知のように単相3線式の分電盤は宅内に中性線をはさんで100Vの配線が2系統出来ています。
分電盤内の上下2系統のうち、どの部屋、どの器具がどちらの系統に属するのかきちんと表示、把握できていれば、それをもとに予備電源とどの宅内コンセントをつなげばいいのかが分かるわけです。
以前からこうやればうまくいくのではないかと想定し、自作ケーブルを用意していましたけれど、それが実際に機能することが今回の被災で実証できました。
非常事態で主幹ブレーカを確実にオフにして運用し、自己責任で行えればよいのではないかと考えます。 (後日追記:主幹ブレーカをオフにする理由は、屋外で復旧工事をしている作業員を感電させ、死傷事故につながる危険があるからです。このことの重要性をよく認識してください。)

 

ダイニングに引き込んだ蓄電池系統と太陽光

発電自立運転系統の2つのドラムコードリール

両端がオス=オスの自作ケーブル


 

日中の屋外片づけ修理作業で汗だくになったあと、温水シャワーできたこと、汚れた作業着や下着を洗濯できたこと、熱帯夜に涼しい部屋で寝れたことがなにより有難かったです。

 

ダイニングと続きのリビングがエアコンが効いているスペースで十数人は収容可能という環境を確保できたために2日目の午前中にはご近所さん、地区の顔役の方を訪れ、拙宅に冷房があること、携帯電話などの充電ができることを地区の連絡網で知らせてほしいとお願いに行きました。
遠慮されて女性陣は来られませんでしたが、顔なじみの男性陣は携帯電話の充電がてら涼みに来てくれました。

また、屋根貸しで車庫に太陽電池が載っている方が「非常時に自立運転で電気を使っていいといわれているがどうすればいいか分からない」と相談に来られたので、現場にいって自立運転に切り替えてあげて、業務冷凍庫に通電できたので大変喜ばれました。

 

停電3日目の昨日は、木更津の発電所のフェンスに設置しておいた非常時電源コンセント(遠隔監視装置用の太陽電池蓄電池独立電源からの常時給電)が使えるかと、懇意にしているご近所さんから電話を貰いました。
確認しに行ったところ問題なく通電していたので、携帯を2台、満充電にすることが出来とても喜んでもらえました。
こういうときのために備えていた機能がちゃんと発揮できて胸をなでおろす思いです。

 

大勢の周囲のみなさんがお困りのところ不謹慎かもしれませんが、隣組の男衆が「今晩停電解消しないようならやってられないので、林さんとこで飲み会しよう!」ということで、昨晩はストックしていた冷たいビールを大放出して宴会しました。
理事で静岡地域交流会のⅠさんも茨城の発電所の被害調査に向かう途中寄ってくれて、一緒に楽しく宴会しました。
テレビニュースを見ながら、当分電気は無理そうだね等といっているところに、夜9時半ごろメンバーの奥様から、「たった今、電気復活したわよ」と携帯に連絡が入り、やった!の一言で突然解散となった次第です。

当方は、非常電源で普段どおりの生活環境だったので、外部から言ってもらわなければ、復旧に気づくこともなかったでしょう。


非常時電源系のコードをすべて取り外して、ソーラーランタンの明かりで、分電盤の主幹ブレーカ、太陽光ブレーカを「入」にして照明が点灯。無事復電を確認出来ました。

 

今回、再生鉛蓄電池だけでプリウスPHVの実容量約6kWhのリチウムイオンバッテリの出番はありませんでした。耐久生活が長引き、悪天候が続けば必要になったと思われます。
鉛蓄電池は1日だいたい5kWhくらいを消費し、天気が良かったのでその減った分をちょうど太陽電池で充電でき、それを繰り返した計算です。

 

エコロジア第一発電所は近くなので復旧エリアに入り、今朝から無事発電復帰したことが確認できました。
もちろん住宅太陽光も売電モードに復帰。

木更津の第二発電所エリアは本日も停電復旧できていないため、他のご近所さんにも口コミで前述の非常時電源コンセントのことが伝わり、近所の農家さんからお礼にとれたてのキュウリなどをいただくなど有難い交流ができました。

 

皆さんのお困りの共通項は、冷蔵庫が使えず食材がだめになっていくこと、情報取得や連絡手段の携帯の電池が切れてしまい孤立すること、充電しようにも公的施設の充電場所はすごく混雑していること、それになにより暑くて寝られないことでした。
商店も、飲食店も、ガソリンスタンドも全く営業できないというのもこれまで経験したことのない事態です。

 

地球温暖化、気候変動は、いまや気候危機と名前が変わっています。そしてそれは近い将来に到来するかもしれないという悠長なものではなく、すでにその時代に突入してしまっていることを今回再認識しました。
電気が長時間ない生活がこれほど不自由や人命への危険をもたらすことを考えれば、せめて10軒に1件くらいは太陽光発電を中心とした非常時電源確保とそのシェアをコミュニティとして図ることで、随分苦しみが減るのではないかと感じます。

 

#蓄電池付き冷蔵庫なんて流行るかもしれません。
 土台が大容量リチウムイオンバッテリー。
 3日間分約5kWh強の電力量、500Wインバータ付き
 で外部臨時給電可なんていうスペックはどうでしょう?高くて売れない?

 

最後に。
家中からかき集めた延長コードコンセント、そのうちの1つが古いやつで、使用中一部の差込口の裏が発熱し焦げました。匂いで気が付いたからよかったものの発火の可能性もありました。電気は危険物であることを肝に銘じる必要があります。

 

 

<今回住宅の非常時電源で使えた電気機器>
・冷蔵庫(連続運転)
・エアコン(ダイニング・リビング締切常時運転)
・10WのLED投光器(夜間天井を照明)
・インターネット用ルーター(常時通電)
 (以上がベースロード 約400W)


・液晶テレビ
・ノートPC
・シーリングLED照明
・ドラム式洗濯乾燥機
・炊飯器
・電子レンジ
・プロパン用温水器
・井戸水ポンプ
・携帯スマホ充電器

 

<使用した非常時電源>
(1)EV/PHV用太陽電池鉛蓄電池充電システム
 (太陽電池4枚計1.19kW、再生蓄電池
  定格容量12kWh)
 +2500Wインバータ(3万円中国製 60時間以上
  連続運転しても壊れなかった)、ドラムリール
(2)住宅用太陽光発電システム(4.4kW)
 パワコン自立運転(日中のみ、max1500W  ベースロード担当)

 

 

以上

 

 

PV-Net千葉地域交流会
世話人 林 彰一